酒が飲めないとツライ海外:下戸のための海外旅行ガイド
世界を旅する三味線シンガーソングライター
なつみゆずです。
突然ですが私はお酒が飲めません。
いや一滴も飲めない訳じゃないのですが、お酒を飲んで楽しくなったことがこれまでの人生で一度も無いので、飲みたい気持ちにならないんですよね。楽しくなる前に眠くなるタイプ。
あとアルコールの風味がとにかく苦手……特にワインは匂いだけで気持ち悪くなることがしばしば。
好きなお酒はカルーアミルクです。
酒が飲めないのは日本人だけ!?
海外へ行くようになって初めて知ったのですが、体質的にアルコールが飲めないのって世界でもほぼ日本人だけらしいのですよ!
詳しくはアサヒビールのサイトがわかりやすいのですが、
お酒を飲んだときに発生する有害物質アセトアルデヒドは、体内の「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」によって分解されます。(中略)この酵素の活性は遺伝子によって異なるので、私たちは両親からお酒に「強い」か「弱い」かを受け継ぐことになります。
お酒が苦手な日本人が多いことは、科学的にも証明されています。(中略)日本人の約44%は、ALDH2を持たないか、その働きが弱くアセトアルデヒドが貯まりやすいのです。この遺伝的性質は、日本人などのモンゴロイド特有のもので、アフリカ系やヨーロッパ系の人種には見られません。
日本人44%のほか、中国人の41%、韓国人の28%はALDH2が弱く、「酒に弱い体質」だそうです。
ちなみにヨーロッパ人はほぼ0%。
つまり何が言いたいのかというと、
日本人が海外へ行くと、歓迎の気持ちでじゃんじゃんお酒を勧めてくれちゃうので、たいへん困るということです!!
飲めない人が欧米に行くと相当苦労する
欧米人は「健康なのに飲めない」という状態が分からないので、「なんで飲まないの?」と素で飲ませようとしてきます。飲めない人が居るかもしれないという概念が存在しないんですね。
ライブハウスやバーで・・・
音楽をやっている関係上、海外でライブハウスやライブバーに顔を出すことが多いんですよ。演奏することもあるし、客として観に行くだけのこともありますが。
そうすると、あちらの男性はレディファーストの精神があるので、だいたい誰かが飲み物を奢ってくれます。一緒に行った友人だったり、そこで知り合った人だったり。
ご馳走してくれるのは嬉しいのですが、1人で一杯飲みきれないんですよね……。(しかも日本よりアルコールが強い気がする。ビールも日本より量が多いし)
飲むペースが遅いと「遠慮しないでどんどん飲みなよ~」みたいに言ってくれる欧米人男性が多いのですが、遠慮してるんじゃない。飲めないんです。
アメリカでは人を歓迎する時、必ずワイン
これまでアメリカに合計1年近く滞在しているのですが、地味に辛かったのがこれ。
人を歓迎する時や、誕生日や祝日などのお祝いの席では、必ずワインを開けるんです!
しかも大抵赤ワイン。
私、お酒の中でも赤ワインが一番苦手なんです……。匂いが苦手なのと、悪酔いすることが多いので。
その上、一回にグラスに注ぐ量が多いんですよ!アメリカサイズ。
「アルコールアレルギー」と言えばわかってくれる
「欧米では日本と違って、Yes・Noをハッキリ言わなきゃいけない!」と巷ではよく言われますが、お酒に関しては完全にそうで、「私ちょっとお酒に弱いんだよね~」じゃ分かってくれません。
欧米で「酒に弱い」とは、ワインを1人で一本空けて「あ~酔っ払った~ここで寝る~~」 みたいな状態を指します。「グラス一杯のワインでも気持ち悪くなって吐いてしまい、本当につらい」と言っても「え~冗談でしょ~」というような反応をされ、結局ワインを注がれます。
日本で「酒に弱い」と言われるレベルの人は、欧米ではアルコールアレルギーと言いましょう!
I’m allergic to alcohol.(私はアルコールアレルギーです。)
欧米諸国は「アレルギー」という言葉に関してはどうやらとても敏感なようです。「I can’t drink」で分かってくれなくても、「I have an allegy」と言えば配慮してくれます。
下戸にオススメの旅行先
アメリカ、ヨーロッパはお酒が飲めないとツライ!
では、下戸に優しい国はどこでしょう?
私がこれまで訪ねた中では、マレーシアとタイがおすすめです。
敬虔なイスラム教徒が多いマレーシア
イスラム教の戒律では飲酒が禁止されています。
東南アジアの国・マレーシアはイスラム教徒の人口が多く、アルコールを提供しないレストランが多いです。メニューに無いのだから1人だけ飲まなくても気まずくありません。
日本からマレーシアは直行便がたくさんあり、 LCCも運行しているので安く行けます。また、同じイスラム圏の国でもインドや中東だと、食べ物や生活習慣が日本と違いすぎて戸惑うのですが、マレーシアは日本と近いため比較的親しみやすい。中国人も多いので、マレーシア料理に飽きたら日本人の味覚に合う中華も楽しめます。
↑マレーシアの古都・マラッカの夜市。
タイは酒類の販売に規制がある
タイは敬虔な仏教徒の国。こちらも宗教上の理由により、飲酒が制限されています。
具体的には、販売時間が制限されており、11時~14時と17時~24時。これ以外の時間は、スーパーでもレストランでも、お酒の販売が禁止です。また、仏教の祝日や、選挙の投票日などは終日飲酒禁止だそうです。
11時~14時と17時~24時には普通にアルコールが購入でき、タイ産の有名なお酒も存在するのですが、「酒で取り乱してはいけない」という仏教の教えが根付いているからか、私が体験した限りではお酒をどんどん勧めるような風習も無い模様です。
タイ・アユタヤ朝遺跡の寺院。
同じ東南アジアでも、フィリピンとシンガポールは飲む!?
マレーシアとタイが下戸に優しいなら、東南アジアは全体的にお酒を飲まないのか!?
と、思いきや、フィリピンとシンガポールでは普通に飲んでましたし飲まされました。
大航海時代の欧米列強による植民地化に始まり、複雑な歴史をもつ東南アジア諸国。国によってかなりカラーが違うようです。
素朴な疑問:中国人がよく飲むのはなぜ?
ところで、「中国に出張に行ったら死ぬほど飲まされた」「先方の社員と飲み比べさせられた」というエピソードを、日本人のビジネスマンからよく聞くのですが、前述の通り「日本人の45%、中国人の40%が飲めない体質」なんですよね。
中国では歓迎の印に食べ物とお酒をたくさん出すのが習わし、だそうですが
世界的に見ると、日本人に匹敵するくらい酒が苦手な中国人が、メチャクチャ飲むのは何故!?
多民族が混ざり合ってきた歴史が影響しているのでしょうか……教えて詳しい人!